計測と計量と測定について

計測,計量,計測という言葉がありますが,これらの違いは何でしょうか。

content
・計測と計量と測定の違いが分かる
・計測における産業の重要性が分かる

point
・計測の方が測定より広義的な意味となている!
・計測とは産業の発展に欠かせないものとなっている!

目次

計測と計量と測定の定義

それぞれJIS(日本産業規格)Z8103によると以下のように定義されています。

  • 計測の定義

特定の目的をもって,測定の方法及び手段を考究し,実施し,その結果を用いて所期の目的を達成させること。

  • 計量

公的に取り決めた測定標準を基礎とする測定。

  • 測定

ある量をそれと同じ種類の量の測定単位と比較して,その量の値を実験的に得るプロセス。
※言い換えると「ある量の大きさ/長さなどを計器や装置を使用して測る」ことです。

つまり,定義的には計測の方が広義的な意味を持ちます。

測定:基準をもとに数値化する
計測:測定前の方法を検討し,測定結果を判定する

※計量は「測定」をさらに狭義的にしたものです。

測定がもたらした効果とは

モノ作りにおいて経験や勘に従って進められてきたものが,測定を行うことにより,客観的な精度でモノ作りが実現できるようになりました。

「規格/標準(標準原器)」がなかった時代は同一の製品でも個体差があり,サイズもバラバラだったそうです。

大量生産を実現するために「規格/標準(標準原器)」というものを設けることで,例えばボルト/ナットでなら互換性のある同一のボルト/ナットを大量に作ることができます。

部品の精度を上げることで,互換性を持つことができ,大量生産を可能としてきました。また同時にコストも大幅に削減もできたそうです。

「規格/標準(標準原器)」を作ることで,精度よく測定できるノギス/マイクロメーターなどが開発され,飛躍的に部品の精度が高まりました。

今では測定は産業,工業の発展に欠かせないものとなっています。

まとめ

測定を行うことでもたらされるメリットは以下のものがあります。

  1. 互換性を持たせることができる(大量生産が実現できる)
  2. 生産効率があがる(大量生産が実現できる)
  3. 生産コストが下がる(大量生産が実現できる)
  4. 品質が保たれる
onilog

製造業において誰が作っても同じものができるということはとても重要なことです

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この記事を書いた人

生産技術系のエンジニアです。日々,計装関係の仕事に従事しています。 生産技術系ブログ【計装便覧.com】を運営中。主に計装設計についてまとめています。また仕事の時短ワザなども紹介しています。計装技術については初心者でもわかりやすくをモットーに執筆中!

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