トレーサビリティの話

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・計量計測のトレーサビリティが分かる

point
・トレーサビリティとは「追跡可能な状態」を意味する
・上位,下位のつながりが説明できる必要がある

目次

トレーサビリティとは

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計量計測のトレーサビリティが分かる

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トレーサビリティとはJIS Z8103によると

「個々の構成が不確かさに寄与する,切れ目なく連鎖した,文書化された校正を通して,測定結果を参照基準に関連付けることができる測定結果の性質。」

と定義されています。

ISO9001には「記録された証明を通して,ある物品や活動において,その履歴や用途,位置を検索する能力のこと」と定義されています。

トレーサビリティとは第三者が検査しても,品質を担保するシステムが適切に機能していることを保証,評価するものとしています。

上記のことからトレーサビリティとは追跡可能な状態としておくことを意味します。

※トレース(Trace:追跡),アビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語

トレーサビリティの種類

トレーサビリティには2つの意味があります。

「製造品などの原材料の製造元の追跡 (Trace)」

「計量トレーサビリティ」

本記事では計量のトレーサビリティについて記述します。

計量トレーサビリティとは

計量器または標準器を上位の階級の標準によって比較校正することを求めると,

上位の階級標準はさらにより上位の標準によって校正され,最終的には

国家標準・国際標準までさかのぼることができます。

それらのつながりを明らかにすることをトレーサビリティと言います。

校正におけるトレーサビリティの意味とは

「トレーサビリティが取れている」という言葉を使用しますが,これには以下の意味があります。

  • 上位の標準機間から供給を受けた標準値を用い,自らがその技術能力に基づいた標準値を再現できる能力
  • 標準値を再現する方法を説明できる能力
  • 校正技術に関する連鎖が確立していること
  • 現場の計測手段と校正手段のつながりを明確にすること

つまり計量計測に使用する機器がきちんと特定標準器(国家計量標準)につながることを「トレーサビリティが取れている」と言います。

JCSS制度

JCSS(Japan Calibration Service System)制度は国内の認定機関であるIAJapanが運営する校正事業者の登録制度です。

JCSS登録された校正事業者は日本国内で計量トレーサビリティが確保された計測器の校正を行うことができます。

国立研究開発法人産業技術総合研究所,日本電気計器検定所又は経済産業大臣が指定した指定校正機関は

指定された「特定標準器」又は「特定標準物質」を用い,登録事業者に対し計量標準の供給をしています。

JCSS標章やJCSS認定シンボル付き校正証明書は,そのマークによって「日本の国家計量標準へのトレーサビリティが確保されている」ということです。

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この記事を書いた人

生産技術系のエンジニアです。日々,計装関係の仕事に従事しています。 生産技術系ブログ【計装便覧.com】を運営中。主に計装設計についてまとめています。また仕事の時短ワザなども紹介しています。計装技術については初心者でもわかりやすくをモットーに執筆中!

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