制御弁の作動
弁の作動には正作動,逆作動,複作動(保持形)の3種類あります。
ダイヤフラム式やシリンダ式などの空気式駆動部を前提にお話をします。
- 正作動
駆動部に駆動空気(圧縮空気や計装空気など)が入ると弁が「閉じる」弁を,逆作動と言います。
「Air To Close」「Airless To Open」とも言います。
- 逆作動
駆動部に駆動空気が入ると弁が「開く」弁を,逆作動と言います。
「Air To Open」「Airless To Close」とも言います。
- 保持形(複作動,ロックアップ弁)
駆動部に駆動空気が入らないと「開」「閉」しない弁を保持形(複作動,ロックアップ弁)と言います。

制御弁の作動方向の決め方
操作信号断(電気信号や空気圧信号)または駆動空気断(断空)や停電(断電)時に制御弁が「開いていた方が安全なのか」「閉まっていた方が安全なのか」を考慮する必要があります。
安全性,合理性を考慮した選定が必要になります。これらに関してはよくプロセス設計者や,機械設計者など有識者で決定していく必要があると考えています。

プロセスは千差万別です。よく検討し,決める必要があります。
調節計の制御出力方向
調節計(DCS含む)を使用する際は制御出力方向を示す「正動作」「逆動作」を設定する必要があります。
制御弁の正作動では制御出力信号が「0%時に全開」,反対に逆作動では「0%時に全閉」になります。
制御ループを構築するときに調節計の制御出力方向と制御弁の作動をよく考えないと適切な制御ができないため,注意が必要です。※制御弁が開いて欲しいときに閉まり,閉めたい時に開く



50%の確率であたるので,イチかバチかで決めてもいいかも笑
※エンジニアたるもの,そんな決め方はだめですよ。
調節計の制御出力方向の決め方
正動作:偏差が大きくなると,制御出力が「増大」する
逆動作:偏差が大きくなると,制御出力が「減少」する


さいごに
フェイルセーフ(不測の事態,誤操作,障害が発生した場合,常に設計時に想定した安全側に動作するようすること)で決めた制御弁の作動方向を決定します。
その後,制御弁の位置や制御する媒体によって調節計での制御出力方向が決まります。



制御ループを構築する際は制御弁の動作方向,制御出力方向はよく考え,設計する必要があります。
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