圧力の定義と単位
単位面積当たりに「働く力」を圧力と言い,圧力の単位はPa[パスカル]が使用されます。
Pa[パスカル] = N/m2 と「単位面積あたりの力」となっています。
圧力には絶対真空を基準とした「絶対圧」と大気圧を基準とした「ゲージ圧」があります。
絶対圧はPa abs やPa[abs],PaAと表記され,ゲージ圧はPa,PaG,Pa[gage]と表記されることがあります。
はっきりと区別したほうが良いため,必ず絶対圧かゲージ圧かわかるようした方が良いと考えます。
いろいろな圧力
大気圧
空気が及ぼす力で,1cm2あたりに約1N(kg重)の大気圧が働いています。国際標準としての大気圧は101.3kPaAと定められています。
※大気圧は地球の場所によって異なります。標高の高い山の上では大気圧は低くなります。(空気柱が低くなるため)
※赤道付近でも気温が高いため,大気圧は低くなります。(暖かい空気のため,密度が小さくなるため)
高所などは空気中が小さくなっていることがなんとなく理解できるかと思います。そのため,大気圧が小さくなります。気圧が低いという言い方もありますね。
水圧
水中にある物質が水から受ける圧力のことです。水中で1メートル沈むごとに水圧は1トンずつ増えていくため,深海1万メートルでは1m2に1万トンの力が働くことになります。
真空
大気圧より低い空間の状態を「真空」とJISでは定義されています。
大気圧より1000分の1気圧までを低真空,100万分の1気圧までを中真空,100億分の1気圧までを高真空,10兆分の1気圧までを超高真空,それ以上を極高真空と言います。
圧力の測定
液柱式圧力計
液柱式圧力計は液柱に働く重力を圧力と釣り合わせて測定する圧力計です。
U字管マノメーター
U字管マノメーターはガラス管(透明なチューブなどでも可能)に液体を入れるだけで測定が可能です。
傾斜圧力計
U字管マノメーターを傾けて利用したのが傾斜圧力計です。傾斜の分だけ圧力の目盛り幅が拡大されるため,垂直に設置されたマノメーターより精度よく値を読み取ることができます。
弾性式圧力計
弾性式圧力計は流体の圧力を弾性変形による応力と釣り合わせて測定する圧力計です。即手範囲は約200MPaGと幅が広いのが特徴です。
ブルドン管式圧力計
代表的な弾性式圧力計です。楕円形断面のブルドン管を円弧状に曲げて一端を固定し,流体を流し込んだ時,曲率が変化することを用いた圧力計となります。
ダイヤフラム式圧力計
細い波状をしたダイヤフラムと呼ばれる金属板の周囲を密着させて圧力を測定する圧力計です。高粘度流体の測定に適しています。
ベローズ式圧力計
ベローズと呼ばれる金属を変形させて圧力を測定する圧力計です。低圧,微圧の測定に適しています。
液柱差真空計
液柱式圧力計と測定原理は同じです。真空にすることで,水銀の液柱が下がることを利用して測定します。
感度はあまり良くないので注意が必要です。
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