【生産技術/計装】音叉式レベルスイッチの特徴【音叉式レベルスイッチ】

計装 ▶︎計装設備 ▶の基礎 ▶音叉式レベルスイッチ

目次

レベルスイッチの種類

フロート式レベルスイッチ (Float Type Level Switch)

フロート(浮き)を使用して液体のレベルを検知します。

フロートが液体のレベルに応じて上下し,その動きによってスイッチが作動します。

主にタンクや貯水槽などで使用されます。

電極式レベルスイッチ (Electrode Type Level Switch)

液体の導電性を利用してレベルを検知します。

タンク内に設置された複数の電極の間の抵抗値を測定し,液面がどの電極に接触しているかでレベルを判断します。導電性液体に適しています。

静電容量式レベルスイッチ (Capacitive Type Level Switch)

電極と液体または固体との間の静電容量の変化を検知してレベルを測定します。

多くの異なる媒体に対して使用可能で,高精度の測定が可能です。

パドル式レベルスイッチ (Paddle Type Level Switch)

タンク内の物質が回転するパドルに接触することでレベルを検知します。

主に固体や粉体のレベル検知に使用されます。物質がパドルに当たると,その回転が止まりスイッチが作動します。

音叉式レベルスイッチ (Tuning Fork Type Level Switch)

振動する音叉の片方が液体や固体に接触すると,その振動が変化し,これを検知してレベルを測定します。

高精度で液体や固体の両方に対応できます。

音叉式レベルスイッチの構造

左右対称な振動翼を持ち,音叉のように先端が広がった構造をしています。

音叉式レベルスイッチの検出原理

音叉の形状をしたセンサが共振周波数で振動します。測定物に触れると周波数が減衰するため,その減衰を検知します。

周波数の減衰は測定物の密度と相関があるため,測定物の密度の変化も検出可能です。

例えば分液操作(密度の異なる2液を分ける操作)で使用が可能となります。

ただし,振動周波数は温度によっても変化するため,注意が必要です。(検出端の金属が温度によって収縮/膨張して変化するため)

音叉式レベルスイッチの接続

フランジ接続,ねじ接続,フェルールなど豊富なランナップがあるので,プロセスに応じた選定が可能です。

音叉式レベルスイッチの材質

フランジ接続,ねじ接続,フェルールなど豊富なランナップがあるので,プロセスに応じた選定が可能です。

音叉式レベルスイッチの機能

最近(2024.7時点)の機種はBuletoothを搭載しており,故障診断が可能かできるようになっています。

出力信号は4~20mA HART,双極双投(DPDT)スイッチなど選択が可能です。出力信号が多種に及ぶためループ構成,構成はしっかり検討する必要があります。

音叉式レベルスイッチの特徴

下に音叉式レベルスイッチの特徴をまとめます。

  • 粉の検出が可能
  • 密度測定が可能(2液の切り替わりの検出)
  • 構造自体が単純なので故障が少ない
  • SUS製であれば比較的安価な計器
  • 付着物がある場合,定期的に検出部の清掃が必要
  • 測定物が高粘度は測定が困難。
  • 測定物の密度が小さいものは測定が困難。(周波数が変化しないため)
  • 異物が検知部に挟まると誤検出となることがある
  • 検出部が腐食などで減肉すると周波数が変化するため,誤検知/故障の原因となる
  • 選定できる材質が限られるため,腐食性流体の測定は不向き

さいごに

周波数の減衰を利用して,密度測定も可能ということから,スイッチという呼び方は不適な気もします。

皆さんはなんて呼んでいますでしょうか笑

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

生産技術系のエンジニアです。日々,計装関係の仕事に従事しています。 生産技術系ブログ【計装便覧.com】を運営中。主に計装設計についてまとめています。また仕事の時短ワザなども紹介しています。計装技術については初心者でもわかりやすくをモットーに執筆中!

コメント

コメントする

目次