検出部から測定した結果やその結果を操作部によって工場を動かす必要があります。それらを集約し,表示部では測定結果を表示したり,制御部では演算したり,警報を発報したり,操作端を調整したりする装置を制御部と言います。これらについて説明してきます。
ちなみに操作端について別の記事で説明しています。
目次
表示部
表示部は指示計や記録計と言われるものがあります。
制御部
- 調節計
調節計には計装盤取付タイプと,現場表示タイプがあります。調節計には電気回路やCPUやソフトウェアが組み込まれています。測定信号が入力でき,また外部操作ができるようになっています。入力された信号を調整計内部で演算し,演算結果を操作信号として出力し,操作部を制御します。
調節計も「空気式調節計」「アナログ電子式調節計」「デジタル式調節計」などがあります。
空気式調節計:電子式が登場するまでは主流であった調節計です。現在は停電時でも監視コントロールしなければならないプロセスなどに使用されることがあります。電子式より価格は高いですね。
アナログ電子式調節計:指示・記録計を基本にし調節部を付加したものです。現在の主流は調節計に指示部を付加した形となっています。このタイプの調節計は入力の増幅,偏差の増幅,演算は電子回路で行い,指示や警報回路を制御回路から分離するようになっています。制御回路は、IC化された演算増幅器を主体に構成されています。増幅器は真空管 ⇒ トランジスタ ⇒ IC ⇒ LSI ⇒ CPUと時代と共に変遷しています。
デジタル式調節計:CPUとソフトウェアで構成する調節計です。「Single Loop Controller」とも言います(SLC)。複数の制御機能,演算機能を備えています。
- 分散方制御システム(Distributed Control System:DCS)
制御装置(システム)の一種です。制御ステーションを複数に分散し,システムの信頼性を高めています。Distributed Control Systemを略して「DCS」と呼びます。DCSは監視,フィードバック制御,シーケンス制御など多様な機能を持ったデジタルシステムです。
統合生産制御システム(DCS) | YOKOGAWA
統合生産制御システム(DCS)は、プラントまたは産業プロセスの自動制御および操作のためのプラットフォームです。
プラントの設計から、エンジニアリング、システム・機器...
株式会社TMEIC
株式会社TMEICは、プラントエンジニアリングとシステムエンジニアリングをベースに、多岐にわたる製造業プラント向け電機設備事業を展開し、産業分野の躍進に貢献します。
- フィールドバスシステム
フィールドバス対応ソフトウェアと通信接続部でシステムを構築し,制御システムと検出端の伝送部や操作端をデジタル多重双方向通信で制御信号だけでなく,自己診断や状態信号をDCSやネットワークベース制御システム間で相互に通信ができます。またアナログからデジタルへ,デジタルからアナログへの信号変換もないため,測定制御精度向上や保守メンテナンスが容易になるなど利点があります。
さいごに
制御部の発展スピードは目覚ましいものがあります。これ一つでできることやれることの幅はかなり広がり安心安全な生産現場を作り上げることができ,製品品質の均一性も上がるでしょう。
一方で,高度な制御システムになると知識や資金が必要になることも十分に理解しておかなればなりません。高機能なシステムですが,使いこなすまでかなりの時間と経験が必要になるかと思います。
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