自力式調節弁とは
自力式調節弁は、流量を制御するために使用されます。具体的には、流体の圧力や温度を調整するために使用されます。自動化されたプロセス制御システムや熱交換機器など、様々な産業分野で使用されます。
自力式調節弁の構造
自力式調節弁は、弁体、弁座、ステム、および制御部品から構成されます。
弁体:弁の本体になります。ケーシングという言い方もします。
弁座:流体の流れを制御するために、弁体内に取り付けられています。
ステム:弁座に取り付けられ、弁座を開閉するために動きます。
制御部品:ステムの位置を制御するために使用され、それによって流量が制御されます。
TLV 蒸気減圧弁 引用元

自力式調節弁には内部導圧式と外部導圧式があり、それぞれの圧力を基準として弁を制御します。
内部動圧式と外部動圧式
内部導圧と外部導圧は、制御弁の操作において、どのような圧力を基準として弁を制御するかを表す概念です。
内部導圧は、弁の内部に生じる圧力を基準として弁を制御する方法です。弁の上流側に設置されたピロットバルブやスプリングバランスなどの制御部品が、弁内部の圧力を検出し、それに応じて弁座の位置を調整して流量を制御します。
内部導圧による制御は、制御弁内部で完結するため、外部の影響を受けにくく、制御精度が高いというメリットがあります。
TLV 減圧弁の外部圧力検出 引用元
一方、外部導圧は、弁の上流側や下流側など、弁の外部にある圧力を基準として弁を制御する方法です。外部導圧による制御では、弁上流側や下流側に設置された制御弁や計器などを用いて、外部の圧力を検出し、それに応じて弁座の位置を調整して流量を制御します。
外部導圧による制御は、制御弁の外部にも影響を受けるため、環境の変化に対して影響を受けやすいというデメリットがあります。
TLV 減圧弁の外部圧力検出 引用元
内部導圧と外部導圧は、それぞれにメリット・デメリットがあります。適切な導圧の選択は、制御弁の用途や環境に合わせて慎重に行う必要があります。
自力式調節弁の種類
自力式調節弁には、直動式、間接式、回転式の3種類があります。
直動式
直動式は、ステムが弁体と同じ方向に直線的に動く構造を持ちます。直動式の自力式調節弁は、比較的シンプルで信頼性が高いというメリットがあります。
しかし,使用可能な流量範囲がパイロット式に比べて狭く,流量や一次圧の変化すると二次圧の設定圧力から外れる現象があります。
自力式調節弁の直動式は、弁座を直接駆動する構造の自力式調節弁です。弁座を開閉するために、弁座に付属したロッドが弁本体の一端に取り付けられ、もう一端にはスプリングが取り付けられています。
弁座が閉じているとき、スプリングはロッドを押し下げ、圧力がかかっていない状態でも弁座を閉じたままにします。
一方、流体の圧力が高まると、弁座の下流側にかかる力が強くなり、弁座が開いて流量を調整するようになります。
間接式
間接式は、ステムと弁座が別々に動く構造を持ちます。回転式は、ステムが回転して弁座を開閉する構造を持ちます。直動式と回転式の中間的な構造を持つものもあります。
間接式の自力式調節弁は、弁座を駆動するために、間接的にスプリングの力を利用する構造のものです。
弁座には、ロッドやダイヤフラムなどの可動部品が取り付けられており、スプリングによってこの可動部品が押されることで、弁座が開閉します。弁座の開度は、スプリングの力を調整することで変化させることができます。
回転式
回転式の自力式調節弁は、弁座を回転させることで流量を制御する構造のものです。弁座には円盤状の部品が取り付けられており、回転軸を中心に回転することで流量を制御します。
回転式の自力式調節弁は、間接式と比較して弁座が回転するため、弁座と弁座を固定する弁本体の接点部分が磨耗することが少なく、耐久性に優れるというメリットがあります。
自力式調節弁の特徴
自力式調節弁の特徴として以下のものが挙げられます。
安価
高い制御精度を有している
長寿命
設置の容易性
高い圧力差は不適
制御精度に外部環境の影響を受ける
設定変更が難しいものがある
さいごに
自力式調節弁は流体の圧力差を利用して開閉するバルブの一種です。外部からの電力やエネルギーを利用することなく自動的に流量を調整できることが一番の特徴ですね。
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