【生産技術/計装】弾性変位量で測定する圧力計の原理,特徴【機械式圧力計】

計装 ▶︎計装設備圧力の基礎 機械式圧力計

圧力計で弾性変位量で測定する方式として以下のようなものがある。

  • ブルドン管式
  • ベローズ式
  • ダイヤフラム式

受圧素子として,測定範囲によりダイアフラム,ベローズ,ブルドン管などが用いられる。これらは受圧素子が圧力(入口圧力)によって変位する機械的動きを利用しています。まとめて機械式圧力計とも言ったりします。

測定対象はゲージ圧が多いですが,負圧から測定できる連成圧力計や絶対圧力計もあります。機械式圧力計は比較的安価な計器でもあるため,至るところに設置されています。

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現場指示の圧力計として使用されることが多いですね。

目次

ブルドン管式とは

最も使用されている圧力計ではないでしょうか。エレメント部(主要,構成部品)がブルドン管を使用した圧力計です。

偏平な曲がり管に一方の開口から測定圧力を与えると,管は膨らみブルドン管の曲率が変化し,密封自由端が圧力に比例し,変化します。

この変位量をリンク ⇒ レバーを通じて圧力値を指示します。

ブルドン管はいくつか形状があり,「C形(上図の形状」「スパイラル形」「ヘリカル形」などがあります。

ベローズ式とは

ベローズとは円筒の外周が蛇腹のような形状をしています。比較的低圧測定用の圧力計であり,スプリングとベローズの組み合わせで構成されています。

取り出せる変位量はブルドン管よりも大きいです。


引用元

長野計器株式会社 DG93・94 微差圧計 カタログ 抜粋
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低圧,微圧の測定として用いられることが多いです。

ダイヤフラム式とは

ダイヤフラム式とは機械式圧力計とは違い,受圧部のことを意味します。弾性として用いられる場合と,隔膜として用いられる場合があります。

いずれにしても取り出せる変量は小さいため,電気信号に変換することが多いかと思います。

ダイヤフラムとは円板状の受圧用薄板形状のものです。調べると弾性の薄膜と出てきますね。ダイヤフラム膜と呼ばれることが多いと思います。

ダイヤフラムの表面は波のような波紋の形状となっています。

材質は以下のようなものがあります。

金属:SUS316,ハステロイC,タンタル,チタン,モネル,ニッケルなど
非金属:フッ素樹脂,セラミックなど

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ダイヤフラムはとても薄くデリケートなものです。材質選定は気をつけましょう。また,取り扱いにも細心の注意が必要です。

ダイヤフラム式 :隔膜式圧力計(差圧計)

ケミカルプラントでは多用されている圧力計になります。ダイヤフラム膜(隔膜)とエレメント(主にブルドン管)との間に封入液が入っています。この封入液は圧力伝達媒体として機能します。

接液部のダイヤフラムや下フランジを用途に応じた材質を選定できるため,腐食性流体や高粘度流体,異物,スラリー,固まりやすい流体の測定に向いています。


引用元

長野計器株式会社 SC_隔膜式圧力計・差圧計・スイッチ カタログ 抜粋

封入液はメーカーに寄ってラインナップがあります。万が一,ダイヤフラムが破損した場合,プロセス製造ラインにコンタミネーション(混入)に即直結しますので,製品影響のない封入液を選定する必要があります。

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ダイヤフラムは破損時も製品品質異常,プロセスが危険状態にならないように検討が必要なりますね。

さいご

機械式圧力計は広範囲に渡り測定ができ,構造がシンプルです。また応答速度も早く,価格も安価であることからよく使用されます。

また,法的要求事項で設置することもあるため,原理原則をよく理解し,適切な圧力計を選定していきましょう。

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この記事を書いた人

生産技術系のエンジニアです。日々,計装関係の仕事に従事しています。 生産技術系ブログ【計装便覧.com】を運営中。主に計装設計についてまとめています。また仕事の時短ワザなども紹介しています。計装技術については初心者でもわかりやすくをモットーに執筆中!

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