グローブ弁は配管内の液体,ガスの流量を調節することを主としたバルブです。
グローブ弁とは
グローブ弁は「玉形弁」とも呼ばれます。玉形の形状をしていることから玉形弁と呼ばれています。
JISでは
バルブの用語(JIS B0100)
「一般に球形の弁箱をもち,入口と出口の中心線が一直線上にあり,流体の流れがS字状となるバルブ」
工業プロセス用調節弁−第1部:調節弁用語及び一般的必要条件(JIS B 2005-1)
「閉止部品がバルブシート面に対して直角方向に動く球状のボディを持つバルブ」
と規定されています。
アングル弁,アングル形はグローブ弁の一種に定義されていそうですが,微妙なところですね笑
ちなみにアングル弁はバルブの用語(JIS B0100)では
「弁箱の入口と出口の中心線が直角で,流体の流れ方向が直角に変わるバルブ」
グローブ弁の構造
弁本体の内部に流れを隔てる隔壁があり,しこにシートリングが装着されています。流体の入口,出口の中心線が一直線となっていますが,本体内部が「S字形状」となる型式のバルブです。以下の画像は単座弁です。
株式会社キッツ バルブの種類と構造
グローブ弁(玉形弁)は調節弁として基本的な構造をしているため,最も多く用いられる弁です。
グローブ弁の種類
- 単座形
グローブ弁の基本構造となります。弁座の漏洩量は少ないですが,高差圧条件で閉止を要求する場合は注意が必要となります。
アズビル株式会社 トップガイド単座調節弁 一般仕様書
- 複座弁
単座弁と比較し小さな操作力で動作します。漏洩量は単座弁と比較して50倍程度あるため,流体の締め切りよりも制御性に重点が置かれるのが特徴です。
株式会社本山製作所 グローブ形調節弁 基本取扱説明書
- ケージ形
キャビテーションやフラッシングに強く低騒音性が得られます。また,高差圧条件で安定な動作が特徴ですが,スラリー流体には適しません。
アズビル株式会社 プレッシャーバランス型ケージ調節弁 一般仕様書
- アングル形
流れ方向が直角に変わるバルブです。流体の入口と出口の中心線が直角となります。流体の流れやすさを目的とした設置方法と配管レイアウト上の形状による設置方法に分かれます。
株式会社本山製作所 アングル形調節弁 カタログ
グローブ弁の特徴
下にグローブ弁の特徴をまとめます。
弁・バルブの規格
弁・バルブに関わる規格は以下に規定されています。
JIS B0100
バルブの用語
JIS B2001
バルブの呼び径及び口径
JIS B2002
バルブの面間寸法
JIS B2003
バルブの検査通則
JIS B2004
バルブの表示通則
JIS B 2005-1
工業プロセス用調節弁−第1部:調節弁用語及び一般的必要条件
JIS B 2005-2-1
工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第1節:取付け状態における流れのサイジング式
JIS B 2005-2-3
工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第3節:試験手順
JIS B 2005-2-4
工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第4節:固有流量特性及びレンジアビリティ
JIS B 2005-3-1
工業プロセス用調節弁−第3部:寸法−第1節:フランジ形二方ストレート形グローブ調節弁の面間寸法及びアングル形グローブ調節弁の中心−面間寸法
JIS B 2005-3-2
工業プロセス用調節弁−第3部:寸法−第2節:バタフライ弁を除く回転形調節弁の面間寸法
JIS B 2005-3-3
工業プロセス用調節弁−第3部:寸法−第3節:突合せ溶接形二方ストレート形グローブ調節弁の面間寸法
JIS B 2005-5
工業プロセス用調節弁−第5部:表示
JIS B 2005-6-1
工業プロセス用調節弁−第6部:調節弁へのポジショナの取付けの詳細−第1節:直線運動駆動部へのポジショナの取付け
JIS B 2005-6-2
工業プロセス用調節弁−第6部:調節弁へのポジショナの取付けの詳細−第2節:回転運動駆動部へのポジショナの取付け
JIS B 2005-7
工業プロセス用調節弁−第7部:調節弁データシート
JIS B 2005-8-1
工業プロセス用調節弁−第8部:騒音−第1節:調節弁の空気力学的流動騒音の実験室における測定
JIS B 2007
工業プロセス用調節弁−試験及び検査
さいごに
グローブ弁の型式を更に分類することができますが,正確に把握できないため,ここでは記載しません。代表的なバルブのみに的を絞っています。
メーカーに寄っても形状,特徴がことなるため,色々と調べてみると良いかと思います。
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