【生産技術/計装】遮断,仕切りとして使用されるゲート弁の特徴【ゲート弁】

計装 ▶︎計装設備制御弁ゲート弁

ゲート弁と呼ばれ,板状の弁体を使って流路を開閉し流体を遮断します。仕切弁とも呼ばれます。

目次

ゲート弁とは

ハンドルを回転させて弁棒を上下させ,弁棒と結合した弁体が上下する事で流体を制御します。

中間開度で使用すると弁体と下流配管に「振動」や「浸食(エロージョン)」が生じるため,通常はON-OFF弁として使用されることが多いです。

口径が大きくなるところで採用されることが多いのも特徴です。ボール弁やプラグ弁などと比較して,面間が小さい特徴があります。

引用元

株式会社キッツ バルブの種類と構造
onilog

水門の構造に似ていることからゲート(門)バルブと呼ばれます。

ゲート弁の構造

バルブのボデー(弁箱)に収納された円盤状のジスク(弁体)が流路に対して直角に移動して,開閉が行われます。

弁体(ジスク)のクサビ効果を利用して流体を止める構造です。

  • クサビ効果
    弁体(ジスク)がシートを押圧ことでシールされます。

引用元

株式会社キッツ バルブの種類と構造

ゲート弁の種類

ウェッジ仕切弁

弁体がくさび状のゲート弁です。単に仕切弁,ゲート弁と呼ばれます。

弁体はそれぞれ以下のものがあり,一般的にフレキシブルジスクが使用されることが多いです。

  • ソリッドジスク(ソリッドウェッジ)
    仕切弁などの弁体のうち,一体形であり,剛性体であるもの。
  • フレキシシブルジスク(フレキシブルウェッジ)
    仕切弁などの弁体のうち,一体形の中央部に切込みをもち,可とう体であるもの。

引用元

総合バルブコンサルタント株式会社
  • スプリットジスク(スプリットウェッジ)
    仕切弁などの弁体のうち,弁体が二つ割れで弁座面への対応がよいもの。

引用元

総合バルブコンサルタント株式会社

パラレルスライド弁

互いに平衡な二つの弁体の組合せからなり,流体の圧力によって出口側の弁座面に面圧を与える仕切弁です。

シート面の材質には耐摩耗性に優れた材料を使用する必要です。

ダブルディスク仕切弁

二つの弁体の組合せからなり,弁棒の推力によって弁体を押し広げ,出口・入口の弁座面に面圧を与える仕切弁(ゲートバルブ)。

ベンチュリポート仕切弁

流路を中央部で絞ってある仕切弁(ゲートバルブ)。

ベンチュリーとは流路を絞ることで,流速を増加させ,流体の圧力を低下させる構造です。簡単に言うと,絞り機構です。

スルーコンジット仕切弁

全開時に流路と同一の開口をもつ弁体構造の仕切弁(ゲートバルブ)。

ナイフゲート弁

鋭いナイフ状のエッジを持つゲートバルブで,気体や液体,各種スラリー,粉粒体,固形物の遮断を行います。

引用元

エスビーバルブ工業株式会社

ゲート弁の特徴

下にゲート弁の特徴をまとめます。

固有流量特性はリニア特性に近い特性を持っています。

  • 全開時圧力損失が極めて小さい。
  • 小口径から大口径まで広いサイズに適応する。
  • 面間距離が比較的小さい。
  • 開閉トルクが比較的小さい。
  • 弁棒が突起物となり,設置箇所(導線上は特に)に注意が必要
  • 弁体の移動距離が長いため、広い取り付けスペースが必要
  • 全開-全閉に時間がかかる(=ハンドル回転数が多い)。
  • 流量調節には適さない。

弁・バルブの規格

弁・バルブに関わる規格は以下に規定されています。

JIS B0100
バルブの用語

JIS B2001
バルブの呼び径及び口径

JIS B2002
バルブの面間寸法

JIS B2003
バルブの検査通則

JIS B2004
バルブの表示通則

JIS B 2005-1
工業プロセス用調節弁−第1部:調節弁用語及び一般的必要条件

JIS B 2005-2-1
工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第1節:取付け状態における流れのサイジング式

JIS B 2005-2-3
工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第3節:試験手順

JIS B 2005-2-4
工業プロセス用調節弁−第2部:流れの容量−第4節:固有流量特性及びレンジアビリティ

JIS B 2005-3-1
工業プロセス用調節弁−第3部:寸法−第1節:フランジ形二方ストレート形グローブ調節弁の面間寸法及びアングル形グローブ調節弁の中心−面間寸法

JIS B 2005-3-2
工業プロセス用調節弁−第3部:寸法−第2節:バタフライ弁を除く回転形調節弁の面間寸法

JIS B 2005-3-3
工業プロセス用調節弁−第3部:寸法−第3節:突合せ溶接形二方ストレート形グローブ調節弁の面間寸法

JIS B 2005-5
工業プロセス用調節弁−第5部:表示

JIS B 2005-6-1
工業プロセス用調節弁−第6部:調節弁へのポジショナの取付けの詳細−第1節:直線運動駆動部へのポジショナの取付け

JIS B 2005-6-2
工業プロセス用調節弁−第6部:調節弁へのポジショナの取付けの詳細−第2節:回転運動駆動部へのポジショナの取付け

JIS B 2005-7
工業プロセス用調節弁−第7部:調節弁データシート

JIS B 2005-8-1
工業プロセス用調節弁−第8部:騒音−第1節:調節弁の空気力学的流動騒音の実験室における測定

JIS B 2007
工業プロセス用調節弁−試験及び検査

さいごに

仕切弁と一言で言ってもその種類構造は様々あります。それぞれ簡単な特徴は覚えておくといいでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

生産技術系のエンジニアです。日々,計装関係の仕事に従事しています。 生産技術系ブログ【計装便覧.com】を運営中。主に計装設計についてまとめています。また仕事の時短ワザなども紹介しています。計装技術については初心者でもわかりやすくをモットーに執筆中!

コメント

コメントする

目次